Teamsでチームメンバーにデータ更新のリマインドを送っても見過ごされる・・・
それならアダプティブカードを使った方法がオススメですよ
- アダプティブカードの概要
- アダプティブカードの作り方(アダプティブカードデザイナーの使い方)
- Power Automateを使ってTeamsチャットにアダプティブカードを投稿する方法
Teams | ユーザーの@mentionトークンを取得する |
Teams | チャットやチャネルにカードを投稿する |
アダプティブカードとは「メッセージカード」のこと
アダプティブカードをわかりやすく例えるなら、文字以外の写真などの情報を1つにまとめた「メッセージカード」のようなものです。
誰かに手紙を送る時、文字だけでは少し無機質になってしまうためイラストや写真などを追加した経験のある方も多いと思います。
そういったものをデジタル世界で作ったものがこのアダプティブカードです。
「アダプティブ」とは「適応する」という意味があります。つまり、アダプティブカードとは見せたいシーンや使う人のニーズに合わせて、形、サイズやデザインを変える(適応する)ことができるカードということです。
このアダプティブカードはOutlookやTeamsチャットなどでも使うことができるようになっています。
アダプティブカードに含めることのできる内容
アダプティブカードは、次の内容を組み合わせて好きなように作成できます。
- テキスト
-
通常のテキスト以外にPower Automateの”動的な値”も使うことができます
- 画像
-
写真や図・イラストなど
- アクションボタン
-
押すことでフィードバックをもらうことができます。
例:アンケート回答、特定のURLへ移動させる など
アダプティブカードは初心者でも簡単に作れる
アダプティブカードはJSONというデータ形式で作成することが必要です。
こう言うと初心者にはハードルが高いと思われますが、この次に解説をする「アダプティブカードデザイナー」を使うことで、初心者でもドラッグ&ドロップ操作を中心にノーコードでデザインすることができます。
アダプティブカードデザイナーはMicrosoftが用意してくれているサービスで、登録不要で誰でも無料で使うことができます。
とても簡単ですよ!
アダプティブカードの作り方
今回作成するアダプティブカードのサンプル
今回は「Power Automateを使いTeamsチャットでチームメンバー3人に定期データ更新を依頼するリマインドメッセージを送る」ことを想定して以下のデザインとしました。
アダプティブカードデザイナーでカードを作成する
では早速、上のサンプルを実際に作っていきます。
▼「New Card」をクリック
▼ポップアップ画面から「Blank Card」をクリック
▼初期値である「1.5」のまま作成してしまうとTeamsでエラーが表示がされてしまいカードが正しく投稿されないため「1.4」へ変更します。
参考:エラーメッセージ
▼左の「CARD ELEMENTS」からテキストブロック「TextBlock」をドラッグ&ドロップでカードへ追加
▼右の「ELEMENT PROPERTIES」を次の通り入力
Text | プロジェクト進捗管理表更新のお願い |
Size | Large |
Weight | Bolder |
▼「CARD ELEMENTS」から「ColumnSet」を先ほど追加したテキストブロックの下に配置
▼配置した「ColumnSet」右下の四角アイコンを2回クリック
▼「CARD STRUCTURE」が下図のようになればOK
▼左に「ELEMENT PROPERTIES」からそれぞれのパーツを追加します。
下段のTextboxのTextへ「本日中にプロジェクト進捗管理表の更新をお願いします。」と入力
▼メニューバーの「Preview mode」ボタンをクリック
▼プレビュー画面でカードデザインに問題がないかをチェック
▼最後にメニューバーの「Copy card payload」ボタンをクリックします。アダプティブカードデザイナーの画面は閉じてもそのままでもどちらでも構いません。
今回作ったアダプティブカードのJSON
上で作成したアダプティブカードのJSONです。お試し用に自由にお使いください。右上のコピーボタンで全文コピーできます。
{
"type": "AdaptiveCard",
"$schema": "http://adaptivecards.io/schemas/adaptive-card.json",
"version": "1.4",
"body": [
{
"type": "TextBlock",
"text": "プロジェクト進捗管理表更新のお願い",
"wrap": true,
"size": "Large",
"weight": "Bolder"
},
{
"type": "ColumnSet",
"columns": [
{
"type": "Column",
"width": "stretch",
"items": [
{
"type": "TextBlock",
"text": "New TextBlock",
"wrap": true
},
{
"type": "TextBlock",
"text": "本日中にプロジェクト進捗管理表の更新をお願いします。",
"wrap": true
}
]
},
{
"type": "Column",
"width": "stretch",
"items": [
{
"type": "Image",
"url": "https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhCJCpPYc41P1Zj5Iv0GI-ZcI1ia5aDSEH_kL8gTvo71sfLVWC-FvUBHpiMaHdykOeDkwa8-Xj6y9jEKHax6ujo4R531mESChazycZDg_R-UiIvDuiFiTkqiqnKL2isyCnvOLJ2_8gGjag/s800/business_ojigi_woman.png",
"size": "Large"
}
]
}
]
}
]
}
アダプティブカードをPower Automateで投稿する方法
ここからは今作ったアダプティブカードのJSONを使い、Power AutomateでTeamsチャットする方法を解説します。
Power Automateをまだよく知らないという方は先に以下の記事をご覧ください。
▼今回は、毎週金曜日9時になったら自動実行されるようにトリガー設定しました。
▼今回はチームメンバー3人分のアクションを追加しました。
▼それぞれのUPN(メールアドレス)を入力します。
以前は「チャットやチャネルにアダプティブカードを投稿する」になっていましたが、今はアダプティブカードが単にカードと表記されるようになったので注意しましょう。
▼ここで今作ったJSONを使います。
投稿者 | フローボット |
投稿先 | Channel |
Team | ていじテック |
Channel | General |
Adaptive Card | アダプティブカードデザイナーで作ったJSON |
▼前章でメンショントークンを入れることにしたTextBlockをメンショントークンに変更します。JSONの左カラムの上段TextBlockの”New TextBlock”という部分を削除する
▼「動的なコンテンツ」→「ユーザーの@mentionトークンを取得する」アクションの「@mention」を選択。3人分のトークンは順番に追加していきます。ここでは、「さん、」で3つを繋げました。
▼完成後のアダプティブカードのJSONはこちら。赤文字にした部分に”動的な値”を挿入しています。
{
"type": "AdaptiveCard",
"$schema": "http://adaptivecards.io/schemas/adaptive-card.json",
"version": "1.4",
"body": [
{
"type": "TextBlock",
"text": "プロジェクト進捗管理表更新のお願い",
"wrap": true,
"size": "Large",
"weight": "Bolder"
},
{
"type": "ColumnSet",
"columns": [
{
"type": "Column",
"width": "stretch",
"items": [
{
"type": "TextBlock",
"text": "@{outputs('ユーザーの_@mention_トークンを取得する')?['body/atMention']}さん、@{outputs('ユーザーの_@mention_トークンを取得する_2')?['body/atMention']}さん、@{outputs('ユーザーの_@mention_トークンを取得する_3')?['body/atMention']}さん",
"wrap": true
},
{
"type": "TextBlock",
"text": "本日中にプロジェクト進捗管理表の更新をお願いします。",
"wrap": true
}
]
},
{
"type": "Column",
"width": "stretch",
"items": [
{
"type": "Image",
"url": "https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhCJCpPYc41P1Zj5Iv0GI-ZcI1ia5aDSEH_kL8gTvo71sfLVWC-FvUBHpiMaHdykOeDkwa8-Xj6y9jEKHax6ujo4R531mESChazycZDg_R-UiIvDuiFiTkqiqnKL2isyCnvOLJ2_8gGjag/s800/business_ojigi_woman.png",
"size": "Large"
}
]
}
]
}
]
}
▼下の絵のようにちゃんとメンションされました。
まとめ:アダプティブカードを使ってメンションする方法はとても簡単!
今回はアダプティブカードTeamsメンションする方法を解説しました。
アダプティブカードは、文字以外の写真などの情報を1つにまとめた「メッセージカード」のようなものです。
次の内容を組み合わせて好きなように作成できます。
- テキスト
-
通常のテキスト以外にPower Automateの”動的な値”も使うことができます
- 画像
-
写真や図・イラストなど
- アクションボタン
-
押すことでフィードバックをもらうことができます。
例:アンケート回答、特定のURLへ移動させる など
JSONというデータ形式で作る必要がありますが、アダプティブカードデザイナーを使う事で初心者でも簡単に作成することが可能です。
テキストだけのチャットに比べて視覚的に目立たせることができるので様々なシーンで役立ちますし、Power Automateを組み合わせることで定期リマインドなどにも活用できます。
ぜひ、アダプティブカードを活用して日々のコミュニケーションの効率化をしてみてください。
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