
Power Automateでメール下書きをしたらHTMLタグが残ってしまう・・・
HTMLタグを残さない方法がしりたい・・・



そんなときはGraphAPIコネクタを上手に使いましょう!
この記事を読んでわかること
- Power Automateの「Office 365 Outlook」コネクタの「メールメッセージを下書きする」アクションの使い方がわかる
- 「メールメッセージを下書きする」アクションで残るHTMLタグを取り除く方法がわかる
- Microsoft Graph APIの概要がわかる
- 「Office 365 Outlook」コネクタの「HTTP要求を送信する」でMicrosoft Graph APIを使う方法がわかる
Office 365 Outlook | メールメッセージを下書きする |
---|---|
Office 365 Outlook | HTTP要求を送信します |
データ操作 | 作成 |
今回は、Power AutomateのOffice 365 Outlookコネクタに用意されている「メールメッセージを下書きする」アクションを使った際に発生する問題について解説します。
2025年10月時点、このアクションはHTML形式に対応ができていません。
そのため、保存されたメッセージ本文の中にHTMLタグが現れてきてしまうという不具合が発生します。
これでは、せっかくのアクションがうまく使えないと困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜHTMLタグが入ってしまうのか(原因)、どうすればHTMLタグが現れない下書きが作成できるのか(解決策)、そして具体的なPower Automateフローの作り方までをわかりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、Power Automateを使ったOutlook下書きに余計なHTMLタグが残らないように修正でき、きれいな本文でメールを保存できるようになります。
Office 365 Outlookコネクタの「メールメッセージを下書きする」アクションで発生する問題
2025年10月時点、Office365Outlookコネクタの「メールメッセージを下書きする」アクションを使った場合、下図のように本文にHTMLタグが現れてしまいます。


この現象は、多くの方が「自分の設定ミスでは?」と不安に感じるところです。
実際に私もはじめて遭遇したとき、「なぜHTMLタグが残ってしまうのだろう」と原因がわからず戸惑いました。
ただ、これはPower Automateの利用者全員に発生している問題であり、Microsoft公式の「既知の問題」としても上げられています。





つまり、設定方法の問題ではなく、現時点では仕組み上どうしても発生してしまう仕様ということです。
HTMLタグが現れてしまう原因は「contentTypeのミスマッチ」


実際にアクションの実行結果を確認してみると、出力側の「Body.ContentType」が「Text」に指定されており、メール本文がプレーンテキストとして下書き保存されていることがわかります。


一方で、アクション内ではテキスト形式を変更することができず、必ずHTML形式でメッセージが作成(入力側)されてしまいます。
この出力と入力のミスマッチにより、今回の問題が発生しているということです。
Office 365 Outlookコネクタの「メールメッセージを下書きする」アクションでHTMLタグを残さない方法
この問題に対して「Microsoft Graph API」コネクタを使って解決する方法を紹介します。
「Graph API」と聞くと専門的で難しそうですが、これはMicrosoft365の各サービスにアクセスするための「公式の窓口」のようなものだと考えてもらえれば大丈夫です。
Outlookのメールや予定表、OneDriveのファイルなどを操作する共通の仕組みで、Power Automateから呼び出すことで、より細かい制御ができるようになります。
つまり、私たちが普段Outlookで手作業していること(例:下書きを開いて本文を書き換える)を、APIを通じて自動的に行なっているだけ、というイメージです。



GraphAPIはPowerAutomateの活用の幅を広げてくれるとても便利なものです。ぜひこの機会に覚えていってください!
このコネクタを使って解決する方法は、アプローチ方法の違いで2種類あります
- 「メールメッセージを下書きする」アクションで作った下書き本文を「Microsoft Graph API」コネクタで整える(今回解説するのはコチラ)
- 最初から下書きメールを「Microsoft Graph API」コネクタを使って作成する
今回は、Power Automate初心者の方にも分かりやすいフローにするため、ステップは多少多くなるものの、フロー作成が簡単で他のフローへの転用もしやすい①を解説します。



次章で、このステップの具体的なフロー作成方法を解説します
具体的なPower Automateフローの解説
作成するフローの全体像
- フローを手動でトリガーする
- 「メールメッセージを下書きする」アクションで本文を作成する
- この時点ではHTMLタグが消えないまま保存されている状態です。
- データ変換「作成」アクションでcontentタイプをHTMLに変更する
- 「HTTP要求を送信します」アクションで下書き本文を更新する
- ここでMicrosoft Graph APIを活用します





今回はフロー紹介用に手動トリガーで作成していますが、実際には皆さんが使いたいシーンに合わせたトリガーに変更しましょう
Power Automateフローの作成
▼「作成」→「インスタントクラウドフロー」をクリック


▼ インスタントクラウドフローに名前をつけて作成をクリック


▼「outlook」で検索し、「Office 365 Outlook」→「メールメッセージを下書きする」をクリック


▼各パラメータを入力
To | 送信したい相手のメールアドレス |
---|---|
Subject | 【テスト下書きメール】Power Automate送信確認 |
Body | 【下書き】 これはPower Automateのテストメールです。 このメールが正常に受信できていれば、 「送信アクション」が正しく動作しています。 ※関連リンクはこちら 送信日時: @{utcNow()} 送信元: Power Automate テストフロー |
importance | Normal |





このパラメータはサンプルです。皆さんの利用シーンに合わせて変更しましょう。
▼「データ」で検索し、「データ操作」→「作成」をクリック


▼入力欄に次の内容を入力
{
"body": {
"contentType": "html",
"content": "@{outputs('メール_メッセージを下書きする')?['body/Body/Content']}"
}
}
"contentType": "html"
の部分でtext形式をHTML形式に変換するように指定しています。


▼「http」で検索し、「Office 365 Outlook」→「HTTP要求を送信します」をクリック


▼それぞれのパラメータを入力
URI | https://graph.microsoft.com/v1.0/me/messages/@{outputs('メール_メッセージを下書きする')?['body/Id']} |
---|---|
Method | PATCH |
Body | @{outputs('作成')} ※動的な値から選択 |
Content-Type | application/json |


▼ 無事にHTMLタグがないきれいなメール本文が下書き保存されました!


まとめ:GraphAPIを使ってPower Automateで下書きメールを作成しよう!
今回の記事では、Power AutomateのOffice 365 Outlookコネクタ「メールメッセージを下書きする」アクションを使った際に発生する問題の解決方法について解説しました。
「メールメッセージを下書きする」アクションでは、下書き保存されたメッセージに意図しないHTMLタグが残ってしまうという既知の問題があります。
その問題を解決する方法は次の通りです。
- フローを手動でトリガーする
- 「メールメッセージを下書きする」アクションで本文を作成する
- この時点ではHTMLタグが消えないまま保存されている状態です
- データ変換「作成」アクションでcontentタイプをHTMLに変更する
- 「HTTP要求を送信します」アクションで下書き本文を更新する
- ここでMicrosoft Graph APIを活用します
少し設定は必要ですが、一度フローを作ってしまえば再利用が可能で、常にきれいな本文を保った下書きが作成できます。
この問題で困っていた方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。
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